LASIK 珍道中 DAY2



4/7(水)

手術当日。

朝から緊張の様子は隠せない、目の膜を切ってめくるのだから怖いのは当たり前だ。

前日に検査をしているが、当日も簡単な検査があった。
モチロン問題無く検査は終了。医師による診断の末、最終確認がおこなわれる。

「トリプルRの手術は最近はほとんどやる人いないけど、これでいいんですね?」
「え?ほとんどいないんですか?まあでも大した違いはないですよね?」
「んー、でもやっぱり違いますよ?手術後の見え方は断然Zレーシックです。」

ここへきてまさかの心変わり。

「じゃ、Zレーシックにします。」



心変わりは人の常と言っても、ここまで即決できるのは僕の才能なのだろう。
ただ、一つ問題があった。手持ちの現金で足りるかどうかという事。
「品川プレミアムZレーシック」の通常価格は22万円、そこから紹介チケットを使用し5万円が割引きされるが、保険の用紙を医師に書いてもらう為に9000円が追加される。

総額18万9千円。

財布の中には19万2千円。

間一髪。先日パチンコでの勝利が無ければ支払う事ができなかった。
モチロンカードの中にはまだ若干のお金はある。だがその時に財布の中の現金が足りなければ、「やっぱトリプルRでいいです」となっていたはずだ。


手術を始めるにあたり、まずは給食当番のような帽子をかぶらされる。
その後、点眼麻酔を行い手術室へと通され、手術開始となる。

「開眼機」なるもので目は極限まで開かれ、ゆっくりと機械が降りてくる様はまさに恐怖だ。

「レーザーでやるから怖くないし、痛くもない」

そんな事はない。普通に怖いし、普通に痛い。
それにレーザーによる処置が始まる前に、医師が直接メスのようなものをいれる。
これなんかはものすごく怖い。
機械が降りてくると、上から目を強い力で押されているような感覚になる。ついでにこれも歯を食いしばるほど痛い。
助手によるカウントダウンが始まり、およそ20秒の間、その痛みと恐怖を耐えなければならない。

「自分の目が切られている」
そう考えてしまうと、さらに吐き気まで襲ってくる。なにか違うことを考えなければ。


「マサチューセッツ州の旅客機100機の柿食う客各100人がガス爆発でバスガス爆発」

これは人気番組「The World of Gorlden Eggs」の中にあった早口言葉。これを何度も連呼していた。

モチロン、頭の中で。
声に出したら只のアホだ。

”フラップ”というものを作成し、続いては別室で角膜を削る作業がおこなわれる。
こちらに関しては大して怖くもないし、痛みも少ない。作業的には似たようなことをしていたが、「慣れた」というのもあるのかもしれない。

一応これですべて終了、両目合わせて20分程度だ。
別室のソファーで30分ほど休み、手術後の処理についてもう一度説明を受け、解散となる。

ただ、ここから他の人と違う現象が起きた。

最後の説明は僕の前に手術した人と一緒に受けたのだが、その人はすでにケロッとしていた。確かに10分くらい僕より早く手術を終えている、その差かなと思っていた。
一通り説明を受け、解散になるも僕はまだ痛いし、涙止まらないし、目開かないし。
とりあえず外に出てみる事にした。しかし、歩き始めてすぐにさらなる痛みと涙。専用のサングラスを付けて手探りしながら歩く様は「若くして盲目の男」にしか見えない。
病院に戻り、「まだ痛くて前も見えないのでもう少し休ませてほしい」とお願いした。
しかし、しばらくすると痛みが収まるどころか、ますます痛くなってくるではないか。これからレーシックの手術を受けるかどうかという一般のお客さんと同じ待合室で、一人涙を大量に流しながら痛がっている。
その時待合室にいた人達はきっとレーシックに対して、より一層の不安を感じただろう。
結局、手術後に休憩させてもらったソファーを再び使わせてもらう事になった。

それでも一向に痛みは収まらない。
何度も痛み止めの点眼をしてもらったが、まったく効果がない。いよいよ深刻な事態だ、とにかく痛いのだ。
医師によって再度診察がおこなわれる。が、問題は見つからない。
「痛くてしょうがないのでどうにかしてくれ」と頼むも、今使用した薬は、このまま手術ができるほど強力なものらしい。
つまり、「他に打つ手は無い」という事。・・いや、「打つ目薬」か。

刻々と時間は過ぎるが、痛みだけは一向に収まらない。
看護婦さんが「痛みはどこかで収まるので、これはもう帰って無理矢理にでも寝るしかない」と言った。

そりゃ帰りたいさ。でも目は開かないし、こんな痛みのなかで寝れるわけがないだろう。

歩いて帰るのはもはや不可能、タクシーを呼んでもらうことになった。
タクシーから降り、アパートの階段を登る最中に勢い良く顔面から壁に衝突した。
ここでも、まわりから見れば「若くして盲目の男」。
さらに弟の部屋は「306」であったはずのに「406」の部屋を必死で開けようとするなど、アホな事もした。
部屋に入るなり、すぐに横になって痛みが収まるのを待った。

18:00。

ようやく痛みが収まってきた。本当であれば、手術後30分もすれば痛みはある程度収まり、そのまま自分の足で帰れるというのがほとんどである。
今回の僕の症状はきっと異例なのだろう、尋常じゃないくらい痛かったのだから。

なんにしても、今日はこれ以上何かをする気にはなれない。というかできない。

「LASIK珍道中DAY2」はここで終わり。

以上、DAY3に続く。


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